Description

新たに入庫したBMW3.0CSクーペをご案内致します。

　1960年代中盤になると、BMW社はより上級クラスのモデルをラインナップします。それはより大きなサイズを持つパーソナルクーペ・セダンであり、エンジンも６気筒を搭載した豪華版のモデルとして誕生します。
初期型は2000CSと呼ばれ６気筒2.0Lエンジンを搭載したクーペでしたが、後に排気量を2.8，3.0Lと拡大したモデルへと進化します。
それが当モデルの3.0CS、E９型と呼ばれるタイプです。その美しいボデイーは初期の2Lモデルのミケロッティからガンディーニに変り、更に洗練されたスポーティな中にもエレガントな雰囲気を持つ素晴らしいデザインとなりました。現在でもこの3.0CSのボデイーはヨーロッパ車の中でも、比類なき美しいクーペのデザインと称されています。

　エンジンは3.0L、6気筒SOHC,ゼニスキャブレターを２基装着して180馬力を発生。最高速は200キロを超えてライバルのメルセデスクーペにも拮抗する性能を持つようになりました。しかしそのフィーリングは後にBMWの代名詞となるシルキーシックスと呼ばれる直列6気筒エンジンのスムーズなタッチを持ち、高級感ではメルセデスの6気筒をはるかに凌ぐものでした。これにZF製3速ATが組み合わさており、そのフィーリングはより一層滑らかな走りを演出しています。1.4トンの車重は決して軽いものではありませんが、中低速トルクも充分でその走りに不満はありません。

　インテリアはルーミーで視界も良好で極めてドライブしやすいクルマです。シートのホールドや硬さも馴染みやすいもので、誰でも違和感なくドライブできます。クーラーも良く効いていますし、ATであってもこれはこれでバランスがとれていて運転するのが楽しいクルマです。ステアリングはウッドに変更されていますがそれ以外はオリジナルの状態を保っています。モケット地のシートは滑らずホールド性も良くロングドライブでも疲れません。インテリアの破れ、痛みなどすべてリニューアルされていますのでありません。そのままお乗り頂けるレベルになっております。

　当車両は、足回り関係の消耗品、駆動系に至るすべての部分をリニューアルされています。マフラーを含む排気系も新品に交換、パワステ関係、ステアリングギアボックスもOH。ボデイーのラバー・ゴム関係も新品に交換されています。当然、エンジンもフルOH、ミッションもOH済み。燃料系もタンクをはじめすべてリニューアルされており、もうこれ以上やるところは無い、と言うほどのメンテナンスを施されており、メンテナンス費用は総額は軽く1200万円を超えています（すべて作業明細あり）。オリジナルのまま良好な部分は残しつつ、最新注意を払いながら作業を行っています。Ｅ9系の3.0CSはオリジナルのまま残されている個体も少なく、また、ボデイーを含めて各部が痛んで居るクルマが多いのですが、ここまで良好な車両は滅多にお目に掛かれないかと思います。

是非一度、現車をその目で確かめて頂きたい1台です。