Description

　フェラーリモンデュアルＴ・カブリオレが入庫致しました。


　1980年に、それまでのDINO308GT4の後継者として登場したのがモンデュアル8でした。その後13年間の長きに渡り生産されたロングセラーですが、その間に何度もモデルチェンジを行いスタイルは大きくは変わりませんでしたが性能や装備などはより進化して行きました。当車両はその後期モデルにあたるモンデユアルＴとなります。ボデイーは308GT4より大型化しましたが、ピニンファリーナの手によりミッドシップ・4シーターのパッケージを持ちながら秀逸なデザインを与えられました。特にカブリオレではその美しいシルエットが際立っており、今となっては小型フェラーリと言って良いほどのサイズや他のモデルに無い独特の魅力を放っています。

　エンジンは前モデルの328から受け継いだ横置き3.2L／V8から、モンデュアルTからは348から譲り受けた縦置き3.4L／V8に変更さえており、パワーも300馬力近くまで高められています。これに組み合わされるのがフランスのヴァレオ社製のセミ・オートマチックトランスミッションで電子制御により半電磁式クラッチをコントロールするという2ペダル式で、オーバーレブを招くようなシフトミスなどを警告音で伝えて誤操作を防止するシステムなど先進的なメカニズムを持って居ました。当車両はこのヴァレオマチックを装備しており、近年当システムのメンテナンスを終えています。

　インテリアはタンのコノリーレザーで、4シーターのオープンモデルは中々魅力的です。ダッシュパネルなども良好なコンデションのまま維持されています。贅沢で豪華なフェラーリには変わりませんが、今となってはネオクラッシックの部類。その程度の良さ如何でクルマをチョイスする事が肝要となってきます。その意味ではインテリアのコンディションは歴代オーナーの乗り方がわかる大きなポイントで当車両はその点で言えば充分合格点を付けられるレベルだと思います。

　さて、モンデュアルになり前モデルのベルト?ネからピンファリーナにデザインが変わり、サイズは多少大きくなりましたが、シンプルかつ端正なスタイルは、初期型から後期型に進化していく過程でバンパーやボデイー後部（カブリオレのみ）のデザインなどが変わり、次第に魅力的になっていきます。1983年にクーペモデルの形状を模したソフトトップを持つ魅力的なカブリオレがデビューします。その発表会ではエンッオフェラーリ御大自らがプレゼンテーションをしたほどの力の入れようで、狙い通り北米マーケットにおいて大きな反響を呼びました。

　当モンデユアルTカブリオレをドライブしてみると、やはり沢山の魅力を持つ楽しいフェラーリであると思います。イージードライブを可能とするヴァレオマチックにより、やはり混雑した路上においてや、ゴーズトップが多い市街地走行などにおいてはその恩恵は絶大です。348譲りの縦置きエンジンはパワートルクも充分で動力性能はこれで満足です。4人乗車することは滅多に無いでしょうが、2人でドライブするにもリヤシートに手荷物を置けますし、何しろ他の2人乗りミッドシップとは違い、リヤの空間があり頭の直後にガラスやエンジンが来ないのは圧迫感が無くて快適です。

　最近のクラッシックフェラーリの高騰を考えると、このモンデュアルTも生産僅か1千台少々、何れはコレクターアイテムとなって行くと思われます。今のうちに楽しんでおくのも悪くは無いでしょう。