Description

1988年式、ポルシェ911カレラ3.2ターボルックをご紹介致します。

　1984年にそれまでの911SCから、エンジンの排気量アップとともに各部のリファインをうけた通称カレラ3.2ですが、シリーズ中、最も信頼性に定評があり、維持易い911と言えます。近年、世界中で空冷ブームが高まり、このカレラ3.2もその人気はますます高まるばかりで程度の良いカレラ3.2を探しているマニアにとっては目が離せない状況といえます。当車両は1988年に製造されたクルマでカブリオレ・ターボルックというレアなカレラ3.2です。

　エンジンはLEジェトロニックインジェクションを装備して217馬力。パワー・トルクも充分で非常に扱いやすいエンジンです。最高速度も240キロに迫る勢いで、現在でもこのカレラ3.2に乗ってみると動力性能にはまったく不満は感じません。現行の水冷エンジンとは一味もふた味も違う、空冷エンジン独特の排気音とフィーリングはとてもエキサイティングでドライブする楽しさにあふれています。エンジンはオリジナルで、ギアボックスはは915型ミッションを搭載。翌89年からはG50型に置き換えられたので、ポルシェ・シンクロの滑らかなシフトフィーリングを味わえる最後のモデルとなりました。走行は14万キロと伸びてはいますがまだまだこのまま調子よくお乗り頂けます。

　室内は黒のレザーシートが備わっています。勿論、パワーウインドーやクーラーも備えています。ダッシュパネルもクラックなど見当たりません。多少の使用感はありますが、当分はこのままでも良い状態です。幌の状態も良好。大人4人がなんとか乗れるスペースを持ちますが、実際は2人乗りのクーペといえます。視界も良好で、長距離を運転していても不思議に疲れないのは基本設計が優れており、パッケージングが素晴らしいのは最新の911でも大きくは変わっていない事が証明しています。

　当車両は1988年に正規代理店であった三ツ和自動車により日本に輸入されています。現時点でもボディーそのものも傷んでおらず、大きなダメージの痕跡もありません。フロアの錆や各部の腐食も勿論ありません。足回りの劣化も特に感じません。エンジンは気持ちよく回りブレーキのタッチも良好、直進性も素晴らしい。操舵感は若干手応えを感じるものの、非常にコントローラブルなタッチをもつ。ナロー911シリーズのような緊張感やダイレクト感は薄らぎますが、今のレベルで考えれば、フラット6エンジンが奏でる独特の排気音や鋭い回転上昇など、これはまごう事無き空冷ポルシェであり、私的には充分楽しさが味わえる911だと思います。しかも、改造されている部分も少なくオリジナリテイーの高いクルマと言えます。

　1984年にカレラ3.2が登場したと同時に「ターボルック」がオプションリストに加りました。翌85年には正式にカタログモデルとして市販され、更に86年からはカブリオレとタルガにもターボルックが選べるようになりました。前後フェンダーとリヤスポイラー、足回りはホイール、ブレーキ、サスペンション等はターボと同一のものが奢られており車高も若干低めに設定されています。車重は50キロ増加していますが、ノーマルのカブリオレと比較しても体感的にはあまり変わりありません。日本に輸入された同年式の911カブリオレ、計81台中で、果たして何台のターボルックがあったのか？恐らく極く僅かであったと思われます。考えようによっては相当レアな1台かも知れません。

　ご興味のある方は、是非この機会をお見逃しなく。